ゴールドカップはウェスターナーが制す | 海外競馬ニュース

ゴールドカップはウェスターナーが制す

アングロフレンチの関係者は喜んだことだろう。7-4で一番人気だったウェスターナーが木曜日のヨーク競馬場でゴールドカップを制したのである。


フランス調教馬はロイヤルアスコット開催において3度目の出走だった。そしてついに、オリビエ・ペリエ騎手のウェスターナーがディスティンクションにクビ差競り勝ち、勝利をもぎとったのであった。


エリー・ルローシェ調教師が管理し、今年6歳となるウェスターナーはパワフルに直線を駆け抜け、最後の1ハロンで先頭に立つと33-1と穴人気だったディスティンクションを退けてみせた。


ヴィニーローがアイルランド代表としてそれからさらに5馬身差の3着に食い込んだ。


ジョニー・マータフ騎手は残り3ハロンの位置から仕掛けたが、ペリエ騎手は慌てず滑らかにスパートをし、残り2ハロンから叩きあいを開始した。一瞬ディスティンクションがリードをとったかのようにみえたが、ペリエ騎手は落ち着いて追い続け、逆に差を広げてみせた。


ウェスターナーはフランス馬では、1977年にサガロが3連覇を決めて以来のゴールドカップ勝利となった。


オーナーのアレック・ウィルデンシュタイン氏にとっては大きな喜びである。彼はこう語る。「父が、成長は遅くとも馬は能力を開花させると言っていた。ウェスターナーは私たちの要求をすべて叶えてみせ、これで6連勝だ。この馬は今日のために完璧に仕上げられた。とてもすばらしい馬だよ。昨年2着になった時より格段に成長しているね。」


ウィルデンシュタイン氏は、この先ウェスターナーは2400mあたりを走ると明言している。バーデン大賞を経て凱旋門賞に向かうことが濃厚だ。「キングジョージにも登録しているが、ニューベリーが合っているかどうかは分からない」とオーナーは付け加えた。


これでロイヤルアスコット開催10勝となったペリエ騎手は、ウェスターナーは中長距離で力を発揮する馬であると語る。「スピードのある馬だ。普通の馬じゃないね。異なる距離でこれだけパフォーマンスを出せる馬は他にいない。おっと、オーストラリアは除くけどね。道中は中団に構えて内を走っていた。ポジションを固定して動かないようにした。この馬はあまり急に動かないほうがいいんだ。そして1分待った。最後はいい切れ味を出せたが、2着の馬も同様だったね。ガッツの勝負だったよ。ウェスターナーは競り合いに強い。あまり追うことはなかったよ。ここの直線は長いが、ロンシャンほどじゃない。他馬を抜き去る時は自信に満ち溢れていたね。」


ウェスターナーはメルボルンカップでは10-1の同立一番人気だった。しかしダウンアンダーを倒すのは2番、3番人気の馬であるように思えたと関係者は語っていた。


ディスティンクションのオーナーであるハイクレアサラブレッドレーシングのレーシングマネジャー、ハリー・ハーバート氏はこう語る。「筋肉を鍛えるため物理療法を課してきた。マイケル(ストウテ調教師)は今日のため少し急ピッチで仕上げたようだね。だけど土曜日には仕上がりの良さをアピールしてたし、今日は一生で一度できるかできないかの走りをしてくれた。まだまだこの馬は走るよ。これからも勝ってくれると思うし、今年こそメルボルンカップを獲りたいね。」


マータフ騎手のコメント。「ディスティンクションは非常に良く走った。ただ勝ち馬は二の脚を持っていたね。」


ヴィニーローに騎乗したパット・スムレン騎手のコメント。「レースを通してよい走りをしてくれた。マータフが仕掛けた時は嬉しかったね。まだまだリードはあったから。だけど実はゴールする頃にはスタミナが尽きていたんだ。勝ち馬のスパートはすごかったね。こんなにいいステイヤーに乗るのは久しぶりだよ。今回の敗因は僕のミスさ。世界中を駆け巡って5つのG1を勝ってくれた。驚くべきグッドホースだよ。今日のレースはとても勝ちたかったが、まあ仕方ないさ。今年一番のレースといってもいい。ペースも良かった。」


ヴィニーローを管理するダーモット・ウェルド調教師はスムレン騎手と馬の走りには満足している。だが負けたことはやはり悔しいようだ。「思ったほどのステイヤーじゃないのかもね。だからこそ今まで3年間、ゴールドカップには出さなかったんだから。一本調子のようにみえるが、実はそうじゃない。3着にこれたのは勝負根性のおかげだね。パットも、ヴィニーローの走りはもがいているようだったと言っていた。どうやら2400から2800mあたりがベストのようだね。メルボルンにもう一度行くかは微妙だ。とりあえず愛セントレジャーに向かうよ。」


ディスティンクションとヴィニーローは、ブックメーカーのキャッシュマンによれば、メルボルンカップでは14-1という人気である。パディパワーだとウェスターナーは凱旋門賞で14-1という人気だ。


昨年の覇者パピヌーは残念な惨敗となってしまった。ケリン・マックエヴォイ騎手によれば、「必死になだめようとしたんだが、最後の2ハロンはまったく伸びなかった。」


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